パスポートの写真

このご時世に海外出張の話が出てきた。パスポートの有効期限が切れていたので、平日休みを取り更新手続きをした。

 

証明写真の規定は6ヶ月以内撮影とあるが、1年前に何かのテスト受験のために無人自動撮影機で撮った写真があるから使おう。

この写真を持って住所のある市役所にパスポート手続きに行った。戸籍抄本を取ろうとしたら、本籍がここではないと言われる。

「しまった」本籍は実家のままだった。車を40分走らせ実家の役場で抄本を取る。

 

元の市役所に戻り手続き開始。写真は何ヶ月前のものか問われ、3ヶ月前と平然と答える。写真を詳しく見られ、眼鏡の影があるとか、傷があるとかいろいろ言われ、他に写真は無いかと聞かれた。

「ありますよ」と自動撮影所で取った7枚程の同一画像の写真を差し出す。しばらくそれを見ていた係員、「これ1年前に取ったものですね」と言い出す。

何と写真の隅に領収書2020年9月 800円と書いてあるではないか。

 

写真を今取り直すのは、ヒゲを剃ってないから嫌だとか、服が写真用じゃないとか、平日休んで来てるのだからさっさと終わらせろ等と懇願したが、「困りましたね」とあしらわれ、市役所内の自動撮影で取り直す羽目になった。

 

顔はぶ然としている、笑顔を作れる訳もない。ヒゲは伸びてるし、ヨレヨレのTシャツだし最低の写真だ。

 

これから10年 パスポートを見るたびに、この経験を苦く思い出すだろう。